J-FOP〜光〜
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FOPとは

《原因》
 2006年4月25日、アメリカのペンシルバニア大学・カプラン博士の研究チームが、
FOP遺伝子を発見。遺伝子ACVR1の突然変異がこの疾患の原因であると発表。


 2006年12月、日本でも研究が進められ、J-FOP〜光〜と連携している埼玉医科
大ゲノム医学研究センター・片桐岳信教授のグループが、遺伝子の異常によるたんぱ
く質の異変であると発表。 本来は、骨折などで必要な骨形成の信号が、筋組織の中で
常に出てしまっている。必要のない破壊と形成を繰り返されている。


《私たち患者が自ら知っているFOPの症状》
◇骨が関節を覆い固め、動きの自由を奪っていく・・・
◇発病は2-3歳が多く、ほとんどが小学生には発病し、バンザイが出来ない。
◇特徴としては、生まれた時から足の親指が外反母趾のようになっており、短い。
◇幼少期に発症する多くは、後頭部が腫れ上がり、首・背中へと移動していく。
◇体の上から下へと進行していく。
◇発症は突然の痛み・腫れ(炎症)が多いが、転倒などの衝撃から病気に気付くことも
  ある。
◇痛み・腫れがすぐ引けば、骨化せずに済むこともある。
◇悪化・進行を伴う炎症は、患部が通常の何倍にも腫れ上がり、痛みも強く、完全に
  引くまで半年以上を要することもある。
◇治療法がないため、痛みは鎮痛剤で緩和させるが、悪化時には効かない場合が多
  いため、我慢し、ひたすら耐えるしかない。


 人の体は、骨があり、それらが関節で繋げられ、その周辺を覆う筋肉が伸縮し動く。
しかし、FOPは骨化により骨が関節を覆い固め、可動範囲が狭まり、やがて完全に動
かすこともできなくなる病気。 あらゆる自由を奪っていく。。。


首、アゴ、肩、肘、指、背中、腰、股関節、ヒザ、足首。
想像してください。
これらが動かなくなる事を・・・

*現状 (固まってしまうと…)
 上下左右を向けない。後ろを振り向けない。ノドの圧迫。
アゴ 食べにくい。流動食。しゃべりにくい。歯磨きがしにくい。歯の治療がしにくい。
 バンザイが出来ない。着替えにくい。ランドセルを背負いにくい。etc
 食事・寝起き・トイレ・着替え・お風呂などほとんどの介護を要する。
 字が書きにくい。電話ができない。
手首 杖をつきにくい。字が書きにくい。メールがしにくい。
 箸など物が持てない。字が書けない。メールがしにくい。
背中〜腰 コブがある。背骨が歪む。靴下が履けない。呼吸機能の低下。内臓の圧迫。
股関節 歩行困難。座れない。トイレが不都合。自転車に乗れない。車に乗れない。
 寝返りがしにくい。下にある物が取れない。バランスをとりにくい。
ヒザ 歩行困難。座りにくい。車に乗りにくい。寝返りがうてない。
 下にある物が取れない。バランスをとりにくい。
足首 歩行困難。爪先立ち。バランスがとれない。

 このように、症状は色々で、変化があり、
 歩行できる者、杖の使用、車椅子(座位・立位)、日の半分をベッド、寝たきり、座りっ
ぱなし、立ちっぱなし、、、と様々です。


 進行していくと歩行も普通に歩くではなく、爪先立ちになりバランスも悪く、足首・ヒザ
・ふくらはぎへの負担も大きくなり、炎症・むくみを起こしたり、水がたまったりして更に
悪化させることもあります。


 座れるとしても、関節の骨化で普通には座れず、体勢を変えることも出来ないため、
かなりの苦痛をきたします。歩行が困難でも、車椅子に乗ることも困難になります。
車椅子は特注で、自分に合った物が必要になります。自家用車も改造しなければなり
ません。


 寝る体勢も様々で、仰向けのみ、横向き(右・左)のみ、うつ伏せのみ。仰向きにした
場合、足が浮くためクッションなどで高さの調整をしなければならない者もいます。
寝返りがうてない・しにくい者、床ずれができる者も少なくありません。また、出来た骨
(コブ)が当たるため、痛くて熟睡も困難になります。


 骨化と同時に体の変形も起こり、それに伴い起こる症状もあります。背中(背骨)の
変形により、内臓が圧迫されたり、呼吸機能が弱くなります。


《合併症?》
FOPには、合併症のようなものがあります。


体が動かないために・・・
◆腸閉塞や結石系の病気、床ずれを繰り返す者も数人います。
◆難聴(生活に支障がない程度)の者も多くいます。
◆不安や悲観、ストレスにより、精神を患う場合もあります。
また、直接関わりがあるかは不明ですが、声を失ってしまった者もいます。


終わりのない進行に、怯える毎日です。


《介助・介護》
 患者の病状がそれぞれに異なるため、扱い方も異なる。


 誰にでも出来るものではなく、患者を知り扱いなれた人、あるいは、病気の性格を
キチンと理解し、症状に応じた介護ができる人に限られます。そのため、ヘルパーを
利用している者もいますが、ほとんどは家族(親)の介護しか頼れません。


 また、悪化時の介護は更に大変になります。ほんの少し動かすだけで、触れるだけ
で激痛が走り、泣き叫ぶこともあります。腹部・胴体を掴み、支えなくてはいけません
が、そこに悪化が起こっても、腫れと痛みのある患部を支えられ、刺激・圧迫を受けな
がら、苦痛に耐えなければなりません。(この場合、鎮痛剤は効かない。)


《困難と対処》
 進行と共に困難なことが増え、対処に困ることが多くあります。患者は悪化によって
自由を奪われる度にストレスをかんじています。しかし、進行のスピードに悩むヒマは
なく、その奪われた機能をどう対処するかを考えなければなりません。一般的に、足が
悪くなったら車椅子・・・と考えますが、FOPは普通ではいきません。
進行は、前兆もなく突然おそってきます。


 腕が上がらない・曲がらない事で、幼少期から服に悩まされます。足が悪くなれば、
履ける靴も限られてきます。そのため、購入したばかりの服や靴が、半年もしないうち
に無駄になることもあります。前開きの服やサンダル、スカート、更には、親御さんが
自ら改造した服やズボンなど、動かない体に合わせた物が必要になってきます。


 また、歩行困難になると、車椅子を使いますが、普通の車椅子は使えません。リクラ
イニングなど体に合わせて動かせる物、座位、立位、体の変形に合わせた座面の高さ
や全体の角度、ズレない・落ちない・負担がかからないような工夫などなど、患者に
合わせた特注品になります。


 さらに、「動かない体」を介助・介護するのは容易ではありません。服の脱着、イスや ベッドへの移動の仕方、段差の介助。扱い慣れている人ではない限り、家族や介護士
・看護師、ヘルパーであっても無理に等しいでしょう。する側は、患者の病状を知る事
から始まり、患者の体に合ったやり方を完全に覚える必要があります。逆に、される側
は自分の病気と体を一番に理解し、する側にしっかりと伝える必要があります。
力任せな無理な介助は悪化・進行させる原因になりますので、意思疎通をしっかりと
しましょう。


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